原稿を校正する際の2つのポイント


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原稿を書き上げてホッとすると、つい校正を忘れてしまいがちです。

その気持ちはわかりますが、いくら原稿の中身がすばらしくても、
校正をしていないと、執筆者の姿勢が疑われてしまいます。

校正のポイントは2つあります。

第一は「内容」のチェックです。

ここでは「文字」を追うのではなく、
原稿の内容を重点的に見ます。

具体的には次のことに注意して読みます。

・ 論理の展開が矛盾していないか
・ 誤解をまねく表現はないか
・ 表現が回りくどくないか
・ 記述が重複していないか


第二のポイントは「文字」のチェックです。

ここでは文章の内容にとらわれず、ひたすら文字だけを追います。

内容に気をとられると、文字を「見る」のではなく、
ついつい「読んで」しまうからです。

あやしいと思える言葉は辞書を使って調べてください。

たとえば、「ここでは『伸びる』と書いたが、
『延びる』が正しいのではないか」といった具合です。

パソコンで書いた場合には、変換ミスにご注意ください。
たとえば「企業」が「起業」になっていたり、
「週間」が「習慣」になっていないか、といった具合です。

校正していない原稿は、少し読んだだけでわりますので、
ぜひご注意ください。


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残念ながら、自分史のような原稿は・・・


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「かくれ目線のススメ」
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テーマはしっかりしているものの、
原稿に自分の足跡を長々と書く、
いわゆる自分史のような原稿も多いものです。

リストラ後、見事に独立開業をはたしたWさんがいます。
Wさんはそのノウハウを書こうと考えていました。

ところが、原稿を見ると、
リストラで辛い目にあった体験談が長々と書かれていました。

そこで、私はWさんにこう言いました。

「辛い体験はWさんにとって忘れがたいでしょうが、
読者には直接関係ありません。
Wさんの個人的な体験はできるだけ削除して、
本題の独立開業ノウハウを書いてください」

Wさんは、一応は私のアドバイスを受け入れたものの、
その後の原稿を見ても、なかなか自分史色が抜けませんでした。

結局、自分史色が抜けるまでに半年もかかりました。

いざ原稿を書こうとすると、自分の思い入ればかりが先に立って、
つい自分史を綴ってしまいがちです。

しかし、残念ながら、いくら自分史を書いたところで、
編集者は決して採用してくれません。


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感情むき出しの原稿は禁物


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自分の主張を前面に押し出すのはよいのですが、
つい気持ちが高ぶって、感情むき出しにして原稿を書く人がいます。

たとえば、こんな感じです。


「転職ノウハウを解説した本が多く出版されているが、
どれも机上の空論にすぎない。
しょせんは厳しいリストラを経験したことのない
学者や評論家が頭の中でこねくり回した観念論だ。
だから、説得力がまったくない。
私のように実際にリストラにあい、
何度も面接試験で落とされた人間でなければ、
本当の転職法など書けるはずがない」


たしかにそのとおりかもしれませんが、
このように感情むき出しにされると、
まともに読もうという気がなくなります。

出版を目指すならば、
気持ちを落ち着けて、冷静な気持ちで書くべきです。


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なれなれしい原稿は敬遠される

 
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読者に親近感を抱いてもらうために、変になれなれしく書く人がいます。

たとえば次のような感じです。


「なにも会社にしがみつかなくても、
生きていく道はあるはずですよね。
私たちから見れば、断じてそう思いたいじゃないですか。
しょせん会社という器は、永遠にあるわけじゃないですもんね。
そう思いませんか?」


書いた本人は、くだけた感じを出そうとしているのでしょうが、
読者はそうは感じません。

ふざけた感じがして、まともに読もうという気がなくなります。
(編集者ならなおさらです)

単調な話が続いたあとで、多少くだけた感じで書くのはいいでしょうが、
それも程度の問題です。


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それは、本にする内容ではありません


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自分の身の回りのことばかりに気が向いて、
肝心の読者に注意が向けられていない原稿があります。

たとえば、こんな原稿です。


同世代の友人と酒を飲めば、
口をついて出てくるのは「リストラ」の4文字。
いったい会社は、私たち中高年を必要としているのだろうか、
と思ってしまいます。
私も正々堂々の中年、今年50歳になります。
ついこの間まではサラリーマン生活をしていました。
「やっぱり、おまえもか! オレもだよ!」と、
酔いがまわるにつれ、
「やんなっちゃうよな」
「やっぱり、次、考えたほうがいいかもな」となります。
それでも杯は気持ちよく傾けられ、
お互い酔うにつれ、気分だけは上々なんですが・・・。


こうした内輪話のような記述が続くと、
読者は読む気をなくしていきます。

友人同士で回し読みする小冊子ならこれでもよいでしょうが、
メジャーの出版を目指すのであれば、
もっと多くの人に向かって書く必要があります。

内輪話をいくら書いても、編集者は見向きもしてくれません。


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会話を多用した原稿の欠点とは?


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原稿を書く際に、会話を多用する人がいます。
ひどいときは、ほとんどすべてを会話形式で通そうとします。

単調な記述が続いたり、雰囲気を変えるために、
一部に会話を取り入れるのはよいと思います。

しかし、あまりにも会話を多用すると、
取り込める情報量が激減するとともに、
紙幅ばかり食って、全体に間延びした感じになります。

必要な知識や技術を端的に書かなくてはならない
ビジネス書や自己啓発書などの場合、
会話形式はあまり向いていないのです。


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日本語で書いてわかるものは・・・


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横文字(カタカナ言葉)を多用した原稿は、
なんとも言えない違和感があります。

違和感があるだけならまだよいのですが、
文章によっては意味が通じなくなることがあります。

横文字を使うと格好が良いと思う人もいるでしょうが、
やはりそれも程度の問題です。

日本語で書いてわかるものは、
できるだけ日本語を使ったほうがよいでしょう。


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あれも、これも、ではいけません


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企画の相談を寄せられた方に、
「この企画を通じて読者に訴えたいことは何ですか?」
と質問することがあります。

すると、あれもこれもと、たくさんの事柄をあげてくる人がいます。

しかし、多くの事柄を並べてしまうと、
訴求力が低下し、なかなかアピールできません。

出版社の心を動かすには、主張を端的に言い表わさなくてはなりません。

たとえば、私が「人前で話す技術」に関する本を出版したときは、
次の2つのことを前面に押し出してアピールしました。

「臆病な人ほど聴衆に支持される」
「大切なのは話し方ではなく、話す内容」

このように、大きな柱となる主張を明確にすることで、
訴求力は格段にアップします。


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格好いい? いいえ、それではイメージが伝わりません


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原稿を書く際に、変に格好をつけて、
やたらと抽象的に書く人がいます。

「具体的に書くこと」を、
レベルが低いと勘違いしているかのようです。

抽象的な記述は一見、格好よく見えますが、
漠然としていて読み手はイメージがつかめません。

執筆者は情報を発信する側なので、
ややもすると、「自分が主役」と思いがちです。

そして、知らず知らずのうちに、
「自分が上で、読み手は下」と勘違いし、
わざとむずかしく書こうとするのです。

いくら「自分が主役」と思っても、原稿を読んでもらえないのでは、
何の意味もありません。


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手抜きは禁物


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書いた本人にはわかっても、
第三者が読むとわからないことがあります。

説明が不足していて、読み手の役に立たないのです。

きびしい言い方をすると、執筆者の手抜きといえるでしょう。

たとえば、こんな原稿です。

「コンサルタントとして独立したら、
まずは3人の顧客(クライアント)を獲得しましょう。
3人の顧客に懇切丁寧に指導して結果をだせば、
あとは口コミで新たな顧客を得ることができるからです」

さて、この原稿をご覧になって、役に立つでしょうか?

読み手が一番知りたいのは、
どうやって最初の3人の顧客を得るか、です。

こうした肝心なことには一切触れず、
たんに「3人の顧客を獲得しましょう」と言ったところで、
読み手の役には立ちません。

出版社にアピールするのであれば、
読み手が知りたいことをきちんと書くべきです。


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